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2024.04.22

コラム

マンションをリノベーションしたい! 注意すべきポイントとは

「リノベーション」といえば、自分好みのおしゃれな空間に…というイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、実際はより機能的な設備や資材を取り入れたり、ライフスタイルに合わせた間取りに変更することでより快適に、そして家自体の資産価値の向上を目指すことを目的とすることが多いです。

現在の住まいをライフスタイルに合わせてリノベーションを検討している人もいるでしょうし、もしくは、中古物件を購入して、自分の好みに合わせた空間を作りたいと考えている人もいるかもしれません。こちらのコラムでは、中古マンションにてリノベーションを行う際のポイントについて解説していきます。

1.そもそもリノベーションとは?

リノベーションとよく似た言葉に「リフォーム」があります。このリフォームとリノベーションの違いはなんでしょうか。実をいうと、それぞれに明確な定義はなく、各リフォーム・リノベーション会社等が各々の定義で使い分けされているようです。リノベーション協議会が考える定義でいうと、『リフォーム』とは「現状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処」であり、『リノベーション』とは「機能、価値の再生のための改修・その家での暮らし全体に対処した包括的な改修」となります。

例えば、リフォームは畳をフローリングに変更したり、壁紙の張替など比較的軽微で表面的なものを指しますが、戸建ての場合、屋根や外壁の塗替え工事もリフォームと呼ばれることがあります。それに対して、リノベーションとは間取りの変更や耐震補強工事、水回り(キッチン・バス・トイレ)などの大幅な変更を指す場合が多いようです。リノベーションと言えば、ゼロからすべてを変更するイメージがありますが、キッチンなどの水回りだけ、一部の間取りだけ、というように部分的な改修工事もリノベーションと呼ばれることがあります。

2.リノベーションできない物件とは?

全ての物件において、リノベーションが可能かと言えば、そうではありません。実は、リノベーションが出来ない物件があります。特に水回りの移動や間取りの変更には注意が必要です。抑えておきたい主なポイントは2つです。

①水回りの移動が不可能な物件

間取りの変更を希望した際、水回りの移動を検討する人もいるでしょう。しかし、全ての物件において水回りの移動が可能というわけではありません。特に築古のマンションでは、この水回りの移動が困難な場合があります。排水には1mに対して5㎜から1㎝の勾配を取らなければいけない決まりがありますが、築古のマンションではその確保が難しい構造になっている場合があるからです。

最近のマンションでは二重床・二重天井の工法を取り入れているところが多く、コンクリートスラブ(躯体)とフローリングの間に隙間があるため、勾配を取りやすく比較的容易に水回りの移動が可能となります。しかし、築古マンションなどに見られる直床工法の場合、コンクリートスラブとフローリングの間に隙間がないため、移動する場所によっては勾配がつけられなかったり、床を上げて配管を通したとしてもその分天井が低くなるなどの問題が発生しやすく、工事が難しくなる傾向にあります。

②建築工法による制限

マンションは鉄筋コンクリート造もしくは鉄骨造で建築されておりますので、梁の部分を壊すことや、躯体となる柱を取り除くことはできません。構造に係わる部分を変更することは、強度や耐震に関わってきます。また、マンションの構造自体の影響も受けます。

「壁式工法」と呼ばれる構造では構造壁で支えているため、空間を広く取ることができますが、取り除くことが出来ない壁がありますので、希望する間取りに変更できない場合があります。主に低層マンションで取り入れられている工法です。

「ラーメン工法」と呼ばれる構造では柱梁で骨格を形成しているので、柱梁以外の部分は変更することが可能なため、比較的自由に間取りを変更することが可能となります。こちらは主に中高層マンションで取り入れられている工法です。

ただし、どちらの構造であっても共有部分である窓の位置や玄関扉などの変更は規約で禁止されているところがほとんどです。

3.リノベーションのメリット・デメリット

現在住んでいる(もしくはリノベーション前提で中古マンションを購入した)マンションをリノベーションするということは、一見メリットが多いようにも感じますが、実際はデメリットもあります。メリット・デメリットにはどんなものがあるのか解説していきます。

【メリット】

・ライフスタイルや好みに合わせて自由に設計できる

家族構成の変更に伴う間取りの変更や、不便と感じていた部分の解決(収納力の向上や動線を意識した間取り)など、基本的には、自由に設計し、ライフスタイルに合わせて住まいを変えることができます。また、より機能的な設備に変更したり、内装のデザインを変えることで、生活の質の向上も期待できるのではないでしょうか。

・劣化した給排水管の刷新

表面的な劣化だけでなく、床下や天井裏にある給排水管などの劣化を発見することができます。この給排水管の劣化は、水漏れやつまり等の原因にもなりますので、定期的な交換や手入れがとても大切です。

・資産価値の向上、資産性の高さ

マンションの資産価値は残念ながら年々下がりますが、築25年~30年ほどのマンションであれば、ほぼ横ばいとなります。新築や築浅で購入するよりは、資産の下がり幅は少なく、またリノベーションを行うことでその資産性の維持・向上が期待できます。リノベーション費用を加味しても新築物件よりもコストを抑えられるケースもあります。

・選択肢の拡大

リノベーションをすることを前提にある程度築年数の許容範囲が広がれば、自ずと物件検索でヒットする件数も多くなる可能性が高まります。予算の関係上、諦めていた人気エリアも候補に挙がってくるかも知れませんし、新築や築浅に比べて物件件数も圧倒的に多いので、希望条件に近い物件が見つかるかも知れません。

 

【デメリット】

・工事費用がかかる

いうまでもなく、工事費用はかかります。リノベーションの範囲によっては、高額になることも予想されますし、あれもこれもと要望を取り込もうとして、予算オーバーになることもあるかも知れません。物件を購入してリノベーションする場合にはその物件購入費用とリノベーション費用とのバランスを取りながら、資金計画を行う必要があります。

・工事期間の長さ

マンションを購入してフルリノベーションを行う場合、マンションの売買契約を締結しただけでは、まだ何もできません。売買契約を締結し、引渡しを受けて初めて自己の所有物となりますので、工事を行う場合は、その引渡しを受けた日から工事日程を組むことになります。つまり、売買契約を締結して、マンションの引渡しを受ける頃にはリノベーションも完了しているということはあり得ません。(リノベーション済みマンションを購入する場合とは別です。)ですから、そのリノベーション工事の完了も見越したタイミングでの引越し準備が必要となります。

また、フルリノベーションを行う場合、解体して躯体状態にしてから工事が始まります。そのリノベーションの規模や工事を請け負う工務店等にもよりますが、フルリノベーションの場合は2~3か月程の期間を要します。解体して初めて判明する問題点があれば、その分工期は伸びる可能性もありますし、計画の変更を余儀なくされることもあります。

現在住んでいるマンションをフルリノベーションする場合には、一旦仮住まいも用意する必要もありますので、工期が長くなればなるほど、その仮住まいに係る費用も膨れ上がる可能性があります。

・物件の見極め

2章でも解説したように、リノベーションに向かない物件もあります。せっかくお得に物件を購入したとしても、希望通りのリノベーションが出来ないといったケースに見舞われることもありますので、物件の購入には建物に関する知識や事前に調査を行うなど、見極める作業が必要となります。

その他、リノベーション費用を住宅ローンに上乗せして借りる場合には、その分の金利が上乗せされるケースがほとんどですので、住宅ローンを検討している場合には、予め金融機関にも相談しておきましょう。

4.マンションでリノベーションを行う場合

マンションのリノベーションを行う場合、自分の都合で工事が始められるわけではありません。マンションには管理規約が存在しますので、そのリフォームや居室の修繕工事に関する項目を必ず確認するようにしましょう。だいたいのマンションでは工事開始の2~3週間前までに理事長等に届出や許可が必要と定められています。また、フローリングに関する規定など細かい規定を設定している場合もありますので、必ず管理規約等を確認したうえで、工事の計画を立てましょう。

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